代表メッセージ

時代を超えて受け継がれる「生き抜く知性」を子どもたちへ
私の教育の原点は、私を育ててくれた祖母にあります。
大正7年生まれの祖母は、時代の波に翻弄されながらも、決して折れることのなかった人です。家が貧しく中学への進学も叶わず、幼い頃から家業の農業の手伝いをして育ちました。後の人生も、最愛の弟の戦死、夫との壮絶な別れ、そしてひとりで7歳になったばかりの母を育てるという、苦労と深い悲しみに満ちたものでした。
しかし祖母には、学校では決して学べない、圧倒的な「生き抜く知性」と強さがありました。祖母は、「食物が育つわけがない」と言われた荒れた土地を安く買い取り、毎日小石をひとつひとつ丁寧に手で取り除き、近所の人に蔑まれながらも、たった一人で立派な畑を作り上げました。その背中を見て、周囲の人もひとり、またひとりと祖母を手伝ってくれるようになったと話していました。
やがて、その土地は、立派な食物が実る豊かな畑へと姿を変え、祖母が育てたお茶はその美味しさから表彰されるまでになったのです。信念を持って行動する人には、その姿に心打たれ、絶対に味方が現れます。そして、祖母がその土地にあった土壌の性質を知っていたこと。石さえ取り除けば、という生きるための知恵があったからこそです。
両親が共働きだった私は主に祖母に育てられましたが、祖母は私を「子ども」としてではなく、「ひとりの人間」として対等に向き合い、私の幸せを第一に考え、尊重し接してくれました。私自身は幼少期から塾に通うことなく慶應義塾大学に進学しましたが、在学中は文学・芸術・児童心理学など、自分の好きなことだけを夢中で学び、学びたいことを学び終えたと感じ、退学しました。それは、単位を取ることを目的としていなかったからです。
せっかく入ったのに何故?とよく問われますが、自分の信じた道を突き進んだことで手に入れた、何にも代えがたい宝物が1つあります。それはひとり息子です。
その宝物である息子には、「勉強しなさい」と言ったことが一度もありません。それでも高校の平均評定は4.1。もちろん、塾にも通っていません。祖母が私に授けてくれたものを、今度は私が息子に手渡せた——そう感じた瞬間でした。
これは自ら考え、自然を観察し、過酷な運命の中でも自らの手で人生を切り拓いた祖母の背中を見て育ち、幼少期に「本物の地頭力と自立心」の土台を授けられた賜物です。
その知恵を、祖母は言葉ではなく生き方で教えてくれました。それはまさに、モンテッソーリ教育が大切にする「自立した子どもを育てる」という理念そのものでした。
私が今、幸せに生きていられるのは、祖母のおかげです。だからこそ私は、「学歴なんて関係ない」と心の底から確信しています。
「高学歴を目指す道」であれ、「自らの好きなことを突き詰める道」であれ、どちらに転んでもいい。大切なのはどんな環境においても自分の足で立ち、自分の人生に誇りと責任を持てる「自立した人間」に育つことです。
最初は理解されなくても、皆さんがお子さんを信じてコツコツと続けたことは、必ず周りを変え、大きな実を結びます。10年後、20年後の世界は誰にも予測できません。その世界で生き抜くためには、ドリルや100点を取るだけの学習は意味をなしません。
「POINTS AND LINES」は、私の祖母が命懸けで私に遺してくれた「愛と生きた知性のバトン」を未来の子どもたちへ繋ぐために作った教材です。だからこそ、祖母が小石をひとつひとつ取り除いたように、私もこの教材を、ひとつひとつ丁寧に積み上げてきました。もちろん、良いアドバイスをくれる素敵な友人に囲まれていることも、私の人生の宝物です。
自分の力で、小石を取り除き、豊かな人生の畑を耕せる子を育てたい。
この思いに深く共感してくださるご家庭と共に、お子様の無限の可能性を伴走できますよう、心から願っております。